1000億年ぶりくらいにワイヤレスじゃないイヤフォンを買った。
まだ10時間くらいしか音通してないけど今時点レビュー。
最初にネタバレするとこうやって文をしたためたくなるくらい非常に良い製品です。
これ。
ビックカメラで税込み15000円・ポイント10%で差し引き13500円でした。
公式オンラインショップでは税別13888円・クーポン10%オフってなってたのでだいたい同じ金額でしょう。
全編写真は無し。公式を見た方が写りが良いので…。
付属品
本体、ケーブル、イヤーピース3サイズ×2種類、ハードケース、なんかブラシみたいなやつ
本体
多分各所で公開されてる写真と実物で印象がだいぶ変わる。実物の方がだいぶかっこいい。
外側がしましましま〜って感じになってるように見えるけど触ると別に凸凹してるわけではない。
光が当たるととても綺麗に光る。
やや透明なスモークグレー、って感じです。
素材は樹脂製でつるんとしています。すべすべ。
ぱっと見不思議な形をしていますが大量の耳の形をサンプリングをして作ったらしく装着感は非常に良好。自分の耳用に作られたのでは?ってなるくらいにはぴったりです。
ぶっ通しで6時間くらいつけてましたが耳が痛くなったりイヤホンがズレたり〜ってことはありませんでした(このあたりはSHURE掛け用ケーブルのおかげな気もします)。
最初逆につけて「なんか装着感悪くね?????」ってなってたけどそりゃ逆につけてたら装着感も悪くなりますね。皆さんも気をつけましょう。
ケーブル端子が青い方が左、赤い方が右です。 蛇足ですがこのFA1Jは日本向けに若干調整されているモデルらしく、無調整モデルはFA1って型番らしいです。
https://www.fiio.com/fa1/www.fiio.com
音の違いは多分自分にはわからないので別にいいんですけど、こっちのFA1だとどうやら本体の色が赤/青になってるのがあるみたいなんですよね。
国内向けモデルもこのカラーで売ってくれないかなぁって感じです。
グレーもかっこいいんですけど、
上位モデルのFA7Jとあわせて是非カラバリ拡充の検討をお願いしたいです、切実に。
ケーブル
程々にしっかりした素材でツイストしてます。
比べる対象が悪いですがiPhone純正みたいにすぐに皮膜が破れたり断線したり、なんてことはなさそうかなー、と。
リケーブルできるので好みのものに変えるでも良いと思います。
自分は特に不満がないので当面このままで。
ちなみにMMCX端子側の先端は上述の通り赤と青に色分けされてます。ありがたやー。
イヤホンジャック側の端子はちょっとゴツメになってて簡単には壊れなさそうな感じです。
また、公式サイトを観てもらえばわかると思いますがMMCX側は所謂SHURE掛けに最適化された形になっており、イヤホンジャック側は直線型ではなくL字型です。
リモコン的なのはついてないです。個人的にはゲーム機にもPCもにも繋ぐためどうせ環境跨げないコントローラーは不要なので別によし。
イヤーピース
2種類×S・M・Lサイズ
芯の部分が硬いの(黒+赤)と柔らかい(白)のがあり、デフォルトでは柔らかい方のMサイズがついていました。
日本語公式には書いてなかったのですが、英語公式を見るとどうやら低音に最適化されたのとバランス型らしいです。
どっちがどっちなのかよくわかりませんが多分白い方がバランス寄りで黒がバス寄りな気がします。多分。
硬い方のMにも替えて使ってみましたが何が違うかと訊かれると明確には答えられないくらいの差な気がする。
見た目で選んでもいいと思います。
家にSpiral dot ++が余ってたのでつけてみましたが、どっちかというとこっちの方が好みの音になりました。
ブラインドで比べろ!って言われてこっちが純正!こっちがSpiral dot++!って断言できるかって言われたら多分無理ですが。
キャリングケース
めっちゃいかつい。
どうやら防水らしいです。
ケースが防水でよかった!ってなるシチュエーションには遭遇したくないですが、安心感がありますね。
作りはかなりしっかりしており、バッグの中に雑に突っ込んでてもまず壊れることはないと思われます。
完全ワイヤレスイヤホンのケースと比べると当然大きいですが(E8 2.0のケースのだいたい3倍くらい?)、まぁケーブルも含めて収納するのでこのあたりはしかたないですね。
ブラシ
こういうのがついてるのってちょっとうれしいですよね。
だいたいアルコールティッシュとかで拭いたりしてるので使うことはあんまりないかもしれないですが、上述のケースにいれておけばいざって時になにか役に立つ、はず。
ここから音の話
※MacBook直結で聴くのはだいたいAppleMusic音源です。ハイレゾとかはさっぱりわからん。
音は比較的フラットめ。楽器ごとの音の分解レベルはとても高い。
低音は普通。日本メーカーのイヤホンはなんとなーく低音強めにする傾向があってそれに慣れてると軽く感じるかも?
ドゥーンドゥーンって響かせる感じではないです。
逆に高音はめっちゃ伸びる!!!ってなる程ではないですが、上述の通り音の分解が非常によくされてて一音一音が非常に聴き取りやすいので結果的にとてもよく聴こえます。
いい意味でモニターイヤホンって言ってるだけのことはあるなってなる感じの音にまとまってます。
EDMとか向けじゃない的なレビューを見たのですが、個人的にはむしろ音の聴き分けができると「ここにこんな音が響いてたのか!」ってなってとても楽しくなるのでEDM系を聴くのに非常に向いているよなぁと思ってます。低音キッレキレなEDMでここが俺のダンスフロアだ!ってやりたい人には確かに向かないかもですが。
音が綺麗に分解された結果、楽器の音がいい意味でそれぞれ際立つので「ボーカルがとにかく綺麗に聴こえればいい!他の音はBGM!」って人にはあまり向かないかもしれないです。
多分「声に集中したいけど楽器の音に集中を削がれる!」ってなる。
逆にそれぞれの音を楽しみたい人には間違いなく合うはず。低音だけが主張することもなく、ボーカルに押し込められることもなくそれぞれの 楽器の音を聴き取れるってのは思った以上にその曲の世界観が広がります。非常に楽しい。
手持ちとの比較
現状メインにBANG&OLUFSENのBeoplay E8 2.0、サブで有線のHP-NHR21を使ってます。
ヘッドフォンもあるんですけど個人的にイヤフォンとヘッドフォンを比較する意義をあんまり感じないのでパス。
HP-NHR21との比較
実売価格は両方13000円くらいのはず。
HP-NHR21は元々価格の割に全体の音質がよく、中でも低音がクセの無い程度に上品に強調されてるのが気に入って使ってました。
ちなみに下位モデルにHP-NHR11ってのがあるんですけど、これとの違いはケーブル覆ってるのがナイロンかビニールかってだけだったりしっます。
私はこの2本を非常に気に入っており、断線するたびに買い替えて今使ってるのが3代目です。
特徴は「低音がクセのない程度に伸びてマッチする曲が非常に多い」、「全体的に音のまとまりが良く音質に明確な欠点が無い」、「ナイロンっぽい生地のケーブルのおかげで非常に頑丈」、「タッチノイズが酷い」、「あまり大きくなく耳へのフィット感が非常に良好」って感じです。
ここに書くことではないかもしれないですが、HP-NHR11/21は4桁前半のイヤホンから初めて1万円台のイヤホンにステップアップする人には間違いなくオススメできる、1万円台前半の有線イヤホンとしては間違いなく万能・最強格のイヤホンだと思ってます。
Radius、もっとシェア広がっていいと思うんですよねぇ。
・音質
FA1JがBA型に対してHP-NHR21はダイナミックドライバー型ってやつらしいです。
今まで書いてきた通りFA1Jは全体的にフラットな音なので低音だけで見ると間違いなくHP-NHR21の方が勝ってると思います。
音の全体的な解像感についてはFA1Jの圧勝。HP-NHR21がボーカルまで合わせて一つの音、って感じなのに対してFA1Jは楽器の音がそれぞれちゃんと聴こえてくる、って感じです。
個人的にはFA1Jの方が好みの音に近いですが、前者の方が好きって人もかなり多い気がします。
正直聴く曲でケースバイケース。
・装着感
安定度はFA1Jの圧勝です。
本体部分だけで比べてもFA1Jは形がちゃんと耳にフィットしているので、長時間つけた時のズレのなさまで含めて一般的なカナル型イヤフォンのHP-NHR21とは比べ物にならないです。
うつ伏せになっても横になっても仰向けになっても腕がケーブルにあたりまくってもFA1Jはずれるような感覚が全くしません。
まぁ正直これに関しては機器性能っていうよりSHURE掛けの恩恵な気はします。
・取り回し
やたら頑丈なナイロン素材のHP-NHR21の勝ちです。
線を軽く結んでも全く何とも動じない頑丈さ・雑に扱っても壊れないだろうという安心感があり、MMCXのような接合部がないのでその部分に水染みたらどうしような不安感もありません。
総評としてはどっち買っても満足できるけど寝転がって使うならFA1Jって感じです。
Beoplay E8 2.0との比較
実売価格は3万台後半?現在は後継機のE8 3genが出てるので2.0はもうちょい安く手に入るかも。
こいつもダイナミックドライバー型のはず。
専用アプリのイコライザで調整する前提みたいなとこはありますが、非常に音に高級感があるといいますか、どんな音源聴いても全く安物感を感じさせなくなる不思議なパワーを持ってる。
いやマジで凄いんですよ。
欠点は「バッテリーの持ちがそんな良くない(連続4時間弱は持つけど出張行くときは途中で別のと取り替えないと持たない)」、「イヤフォン本体がでかい重い(3genでは結構改善されてるっぽいけど実物未確認)」、「装着感が△(バッテリーが切れるころには耳のHPも切れてる事が多い)」、「人混みだと結構ブツブツする・防犯センサーの横を通ると確実に音が切れる」な感じですかね。
基本的に音に文句がないからそれ以外の欠点が目立つと言うかなんというか。完全ワイヤレスイヤホンとしてはまだ荒削りな世代って感じですね。
・音質
音楽として楽しむって意味では間違いなくE8 2.0の方がいい!のかと思いきや、解像感だけで見ると(聴くと)多分FA1Jの方がいい。
解像感≠音質であって、トータルでの「音楽」としてのまとめ方は間違いなくE8 2.0の方に軍配が揚がります。
あとE8 2.0が結構イコライザ前提の音作りなのに対してFA1Jはそのまま聴くのを想定されて作られてる気がする。
このあたりはスマホに繋いで専用アプリも導入した上で聴くことが想定されてる完全ワイヤレスイヤホンとあらゆる機器で使われる可能性のある有線イヤホン(モニター用イヤホン?)の違いなのかなー、とか。
音を調整していくとE8 2.0の方が満足度の高い好みの音になるんだけど、素の状態で聴く分にはFA1Jも結構いやかなり張り合えてます。
正直FA7とかFH7とかのE8 2.0と同じ価格帯の上位モデルと聴き比べがしてみたくなってくる。
大体有線イヤホンに1万円くらい足すと同じ音質クラスの無線イヤホンになるってイメージが今まであったんですが、
FA1Jに関しては+1.5〜2万円層と張り合えるくらいの音なんじゃないかなぁというのがE8 2.0と比べた結果の感想です。
ちなみに両者ともノイズキャンセリングは無いので長時間聴いてて圧迫感を感じたり、みたいなことはないです。
・装着感
文句なし脳内100対0でFA1Jの圧勝です。
E8 2.0、どう考えても頭が地面に対して垂直である状態しか考慮されてないんですよねこれ。
まぁそのへんは完全ワイヤレスイヤホン全般に言えるんですけど。
長時間装着している状態での耳への負担もFA1Jの方がだいぶ少ない。
負担の少なさはFA1J(というかSHURE掛け)>非SHURE掛けカナル型>>>越えられない壁>>>完全ワイヤレスくらいの感じだと思っていいと思います。
耳にぶっ刺してそれっきりな完全ワイヤレスより耳全体で支えるSHURE掛けの方が安定するのは当然っちゃ当然なので比べるのは若干酷なのかもしれないですが、完全ワイヤレスに求められてたのって本来そういう姿勢体勢みたいなのを気にせず聴ける、みたいな方向だった気もするんですよね。
・取り回し
まぁ当然完全ワイヤレスイヤホンであるE8 2.0の圧勝です。
最近はメガネ+マスク常備なのでここに有線イヤホン足す時ってマスク紐の外?中?とかそっから考えないといけないので結構大変な気がしています。
また、ケースについても上述の通りだいたい3倍くらいのサイズ差があります。
操作感に関してはE8 2.0みたいなタッチ式のものはボタン式に対して明確に劣っていると思ってるんですよね、汗かいた髪が触れると勝手に音量が最大になったり音楽止まったりするので…。
ちょっと片耳だけ外そうとしたらタッチ部分に触れて大惨事、みたいなこともあったりなかったり。
そういう意味ではリモコンもついておらず誤操作の危険性皆無なFA1Jの方が安全方向に倒れてて個人的には好ましいです。
脇道に逸れますが、そろそろ電源とペアリングを兼ねたボタンが一つあるだけで音量操作は全て端末側で操作する前提になってる完全ワイヤレスイヤフォンがトレンドになっていいと思ってるんですけどなかなか時代が来ないんですよね。
それどころかボタン操作→タッチ操作がトレンドになりつつある。
反応フィードバックが全く無いタッチN回で早送りとかスキップとかそういう操作系を頑張って覚えるよりスマホで操作する方が楽じゃないですか?どうせ片手使うわけですし。
ヘッドフォンも最近側面タッチ操作式っぽいのが増えてますが、ああいうのも同様に勘弁してほしいなぁと思ってます。
視覚又は触覚にフィードバックの無いタッチ操作は悪、バッドUI・UXであるという認識がイヤフォン・ヘッドフォンメーカーに浸透することを心から祈ってます。
聴覚フィードバックは音楽聴くのの邪魔になるし、音から意図を判断するのにかかる時間ラグが大きすぎるので起動・切断音以外は個人的にはNGです。
以上余談。
ともかく取り回しについては完全ワイヤレスには勝てないけどそもそもそこを評価軸にしなくてもいいよね、って感じです。
総評
各所でコスパ最強!って言われてますが非常に納得する逸品。
楽器の音をそれぞれしっかり聴き取りたい、解像感が欲しい、イヤホン側での味付けなんて最低限でええんや!、みたいな人は2、3万円台のイヤホンとの比較対象に十分入れていいレベルのクオリティだと思います。
あと見た目がかっこいい。付けてると自分からは見えないけど。
この価格でこの満足度ってのは正直なかなか凄まじいと思う。
正直最初から上位モデル買うの怖くてFA1J買ったんですけど、
最初から上位モデルに飛びついても全然良かったなと本気でちょっとだけ後悔しています。
それくらい満足度が高い。
FiiOっていうとアンプとかの印象が強くてイヤフォンもやってんの?みたいなとこがありますが、こんだけいい製品を世に出せてるのでこれからシェアを広げていく余地がまだまだあるんじゃないかな、と思います。
とりあえずビックカメラの売り場を端っこのショーケースの中から普通に視聴できる売り場に変えてもらうとこから始めるといいと思う(店舗によるかもしれないけど)。
あと国内販売代理店は見てたら青赤モデルもラインナップにいれてくださいマジで。本当に。頼みますよ。
せっかくならと試したくなったのでiPhoneと繋ぐためのi1を追加で注文しました。正直i1の音質にはそこまで期待してるわけじゃないけど純正の変換ケーブルよりは良いんじゃないかと淡い期待を込めています。
この後はPCとの接続に挟むためにFiiO K3を買おうと思ってます。
そして来月くらいにはこれの上位モデルのFA7Jか日本向けカスタムのされてないFA7を買うことになるんじゃないかなぁと。
FH7も興味あるけど国内の在庫が軒並み死んでいるっぽい&BA+DD構成のイヤフォンってのを使ったことがないのでどういう感じかわからず流石に手を出すのがちょっと怖い。
FA7/JかFH7降ってきませんかね。
買ってまた何か書きたくなったら書きます。
そんな感じで。